現在幼稚園や保育園では、外部からプロの演奏家を招き、文化的実践の鑑賞機会を設けるところが多くなってきた。しかし、これらは年間計画のひとつとして位置づけられることが多く、日常の保育につなげていく視点はほとんど持たれていないのではないかと考える。幼稚園において文化的実践鑑賞後、幼児がどのような遊びを展開するのかを観察した。その結果、文化的実践により友だちとの共同的な表現を下支えするものと、そうでないものがあることが明らかになった。文化的実践のあり方を幼児の側の視点に立って見直す必要があることが示唆された。