4週間の間隔をおいて①日本語改訂版反応スタイル尺度(日本語版RSS-R;島津, 2005)と②自己評価式抑うつ性尺度(SDS): Zung(1965)の日本語版(福田・小林,1973)を大学生に対して実施した。T2の抑うつを従属変数とし,T1の各反応スタイルを独立変数とした重回帰分析を実施した。その結果,否定的考え込み反応を多くする人ほど,4週間後の抑うつの程度が高いことが示された。また,回避的気そらし反応と問題解決的考え込み反応を多くする人ほど,4週間後の抑うつの程度が低いことが示された。考え込み反応および気そらし反応のそれぞれ2因子は,抑うつの程度に異なる影響を及ぼすことが明らかになったことから,反応スタイルを複数の因子で捉える必要性が示唆された。