大松健太郎 鶴本一成 小川裕雅 鈴木哲司 加藤渚
目的:消防非常備町村の病院前救護体制の実態を調査し、現状と課題を検討すること。対象と方法:平成24年4月1日時点で、消防非常備町村で救急業務の実施体制のない35町村を対象とし、調査紙および電話による実態調査を行った。結果:実施形態は「役場救急」が25町村(71.4%)、「病院救急」が5町村(14.3%)、その他(委託等)が5町村(14.3%)であった。救急救命士の乗務が2町村(5.7%)、医師および看護師の乗務が11町村(31.4%)であり、22町村(62.9%)が医療資格者を乗務させていなかった。将来の施策として消防常備化を選択しない町村が21町村(60.0%)を占めた。結語:今後も消防非常備町村における病院前救護実施体制は、地方自治行政の重要な課題となることが予想され、救急救命士の雇用や民間企業の活用等の検討が必要である。