タイ南部国境地域事情 地域史-その1-
タイの学校で教えられる歴史は、チャオプラヤー河下流域を中心に据えたラッタナーコーシン王朝のナショナル・ヒストリーである。その中では、南部国境地域や北部、東北部の地域史が実在する歴史として扱われないのは、タイは1つであると見做されているためである。同稿では、南部国境地域の歴史を、地域史的視点から再構成し、先史時代から12世紀~13世紀頃までについて概観した。
財団法人日本タイ協会『タイ国情報』第43巻第5号