胸郭に対して多種のストレッチングの手技を介入することによって,胸郭の可動域をひろげ肺機能(肺活量)が向上するか,また胸郭のストレッチングの有無によってどのように全身持久力が上がるか,胸郭に対してのストレッチングは効果あるのかを明らかにしようとした.
肺活量はストレッチング後に向上したが,これはストレッチングにより胸郭のROMが拡大したこと,また呼吸筋の筋緊張を下げることにより肺のコンプライアンス向上したためと推測された.またストレッチングによって肺活量が向上した影響で有効換気量が増えたことにより,肺でのガス交換の効率が良くなったと推定されたので心拍数が抑えられたと考えられた.このことから肺活量も持久力に関わっていることが考えられ,肺活量が増えればより高い運動強度まで耐えることができると示唆された.