本研究では,高校1~3年生51名を対象とし,ラグビー部員,サッカー部員,一般生徒(部活動を行っていない生徒)を対象に足指筋力を全指について測定し比較検討した.
右足の足指筋力については、第3指にラグビー部員と一般生徒の間,第5指にサッカー部員と一般生徒の間に5%水準で有意差がみられた.左足の足指筋力に関しては,第2指と第3指にラグビー部員と一般生徒の間に有意差がみられた(p<0.05).また,第2指にサッカー部員と一般生徒の間に5%水準で有意差が認められた.ラグビー部員と一般生徒を比較すると,第1~第5指における左右の足指筋力において,10指中3指において有意差が観察されているが,足指筋力を体質量で除した場合にいずれの指においても有意差が観察されなかった.このことは、ラグビー部員の足指筋力は身体の発達に比例して強くなったものであり,相対的には一般生徒とかわらないことを示唆している.一方、サッカー部員と一般生徒の第1〜第5指における足指筋力の比較では,左右10指中2指,さらに第1~第5指における足指筋力/体質量の比較でも10指中2指において有意差が見られている.したがってサッカー部員の足指筋力は,ラグビー部員より体質量が平均16.7kgも小さいにもかかわらず大きく,また足指筋力/体質量の比較でも全指で大きな値を示した.