傍観行動はいじめを深刻化させる要因とされる。これまでに,いじめを見た中学生がそれを傍観することなく,いじめをくいとめるための何らかの行動をとれるようになることを目指すいじめ抑止プログラムが開発され,その効果が検討されている(中村・高橋・越川,2018;Nakamura, Shimazu & Koshikawa, 2019)。プログラムは①いじめは許されないことを伝える心理教育と②いじめを見た際に自分がとれる行動を考えるロールプレイから構成される。本研究においては,中学生を対象に本プログラムを実施し,いじめ否定の規範意識に着目して効果の検討を行うことを目的とした。