【目的】薬学部1年次の英語科目は、医療の国際化に対応するために、語学能力を養う第一歩として重要である。本研究では、本学薬学部1年次生に、英語演習の開始時と終了時に「学習感情」「学習到達度感」の調査を行い、次学年へと継続させる効果的な薬学英語教育体系を構築するための基盤的データを得ることとした。
【方法】2022年度 帝京平成大学薬学部 1年次生(206名)を対象とし、アンケートの実施した。得られた回答について解析ソフトIBM SPSS Statistics 29.0.0.0を使用してデータを選定し、因子分析および t検定を行った。
【結果】学習感情の変化として、「ネガティブな振り返り」において平均値に有意な減少がみられた。学習感情項目別 分析における「自信」「安心感」において平均値に有意な増加がみられた。学習到達度感として、オンライン教材を使った学習に対して、「文法力」「読む力」「聞く力」の向上は感じている傾向にあったが、「話す力」については向上を感じていない傾向にあった。一方、オリジナルテキスト・動画を用いた薬学英単語に関する学習については、到達度感を感じている傾向にあった。
【考察】1年次生の英語学習を通じ、本研究の対象となった学生は、英語に対する「ネガティブ」な意識が低下したと感じているものと思われた。また、英語演習を重ねていくことで、学習レベルを把握し、「安心感」「自信」につながったものと思われる。