ヨーロッパ中世都市共同体研究の一視角-拙稿「中世シュトラースブルクにおける大聖堂と都市共同体」に対する故林毅氏のかつての御批判に答えて-
2004年に筆者が発表した論文「中世シュトラースブルクにおける大聖堂と都市共同体」は、エルザス=上ライン都市シュトラースブルクにおける市民たちのキリスト教共同体としての結束が、当市の中世都市共同体形成と自治発展に大きく関わっていたことを論じたものであった。本稿では、ドイツ中世都市史研究の先達である故林毅氏が拙稿に対して寄せて下さった論評に答えながら、この論文が提起する中世ヨーロ
帝京平成大学紀要