都市防衛とゲマインデ-13世紀前半シュトラースブルクにおける市壁建設から-
ヨーロッパ中世都市の市壁は、都市の社会形態、とりわけ市民による都市ゲマインデ(共同体)の形成に大きく作用した。本稿では、エルザス都市シュトラースブルクにおける13世紀前半の市壁建設を取り上げ、この大規模な共同事業が市民たちの「防衛共同体」としての結束を促し、それが都市ゲマインデ形成の重要な基礎となったことを明らかにする。
アジア文化研究(国際基督教大学学報3-A)