5月に、オンライン授業に関する問題を明らかにする目的でアンケート調査を行った。その結果、いくつかの問題点が明らかになったとともに、「リアルタイム同時双方向形式」オンライン授業よりも、「オンデマンド動画配信形式」オンライン授業が好ましいと回答した学生が70%を占めていたことが明らかになった。しかし、この質問において、「科目によっては好ましい授業形式が異なる」と回答した学生が存在した。そこで、学生は科目によってどちらの形式の授業が好ましいと考えているかを明らかにする目的で調査を行った。2020年11月18日~30日に、臨床工学技士養成校である帝京平成大学健康メディカル学科医療科学科の臨床工学技士国家試験受験を目指す1~4年生を対象に、オンライン授業に関するアンケート調査を行った。アンケート対象学生の228名のうち、176名が回答した。アンケート回収率は77%であった。オンデマンド動画配信形式が好ましい科目、リアルタイム同時双方向形式が好ましい科目はそれぞれ何かという質問に対し、43名の学生においてすべてオンデマンド動画配信形式が好ましいと回答した。一方で、すべてリアルタイム同時双方向形式が好ましいと回答した学生は6名であった。オンデマンド動画配信形式を希望する科目で最も多かった回答は「病理学総論」が8名、次いで、「解剖生理」「臨床生理学」「生体機能代行装置学」がそれぞれ4名ずつであった。リアルタイム同時双方向形式を希望する科目で、最も多かった回答は「機械工学」が14名、次いで、「電気工学」および「電子工学」がそれぞれ7名ずつであった。臨床工学技士養成校では、医療系と工学系の科目を受講する必要があるが、オンデマンド動画配信形式が好ましいと回答した科目は医療系、リアルタイム同時双方向が好ましいと回答した科目は工学系が多かった。何度も視聴することができ、自由な時間に視聴できることから、オンデマンド動画配信形式が好ましいと考える学生が多い。しかし、暗記が求められる医療系科目は繰り返し視聴することで暗記につなげることができるオンデマンド動画配信形式、計算が求められる工学系科目はその場で質問ができるリアルタイム同時双方向形式にするなど、科目によって授業形態を変化させる必要があると考えられた。